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八幡宮
はちまんぐう
静岡県下田市吉佐美1722−1  Zenrin Data Com Maps display !!

式内社 伊豆國賀茂郡 加彌命神社
旧村社

御祭神
誉田別命

相殿 式内社 伊豆國賀茂郡 竹麻神社三座 三嶋神社
境内 式内社 伊豆國賀茂郡 多祁美加々命神社 若宮

静岡県下田市にある。
伊豆急下田駅の西4Kmほどの吉佐美に鎮座。
136号線を西へ進み、大賀茂川に沿って南下すると
道路に面して東向きに境内がある。

薄らと苔むした木製鳥居をくぐると広い砂利の境内。
拝殿左手の立派な木が聳えており見惚れてしまったが、
拝殿右手にある「イスノキ」が有名らしい。
参拝時には「イスノキ」の根の補修というか治療というか、
なにやら工事をしていて、右側からは近づけない状態だった。

社殿は入母屋造の拝殿の後方に、少し離れて幣殿があり
幣殿の後方に、本殿覆屋がある。
拝殿の扁額には「正八幡宮」とあり
本殿覆屋の扁額は「八幡宮」。

本殿覆屋の格子から中をのぞくと
二棟並んだ流造の赤い社殿がある。
並んでいるというより、一つの屋根で繋がっている形式。
その二棟の間、中央奥にもう一つの社殿がある。

赤い社殿の右側が若宮、左が当社本殿。
中央奥の祠が、相殿の三嶋神社らしい。

当社の創祀等に関する資料は未入手。

まず、八幡宮本社は、
式内社・加彌命神社の論社となっているらしい。
『静岡縣神社誌』記載の『伊豆國式社考』に
「吉佐美八幡宮奉歌ニ 鏡の宮トイフアリ
加彌命ハ加々彌命ノ加文字一字脱カ」とあり
薄い根拠が示されている。

本殿右にある若宮は、
式内社・多祁美加々命神社の論社。
『式内社調査報告』に
「今按、豆州志に、吉佐美村に三島明神坐。白鬚を配祀す。
源三位頼政の記あり。其略ニ曰、豆州十七番目の御神、
神尾山御倉山の麓多田美河の河上に坐す。
当郷朝日里日吉村のうぶすな大明神、人皇六代に当て、
興津彦・興津姫を云々。
この神、必式社なるべけれども、祠典何の命なるや。
或日、これ多祁美加々命神社、多田美河の御相類して
訛誤あるかと云う」と、こちらも語呂合わせが記されており
この神が、現在の若宮であるらしい。
上記の記述から、祭神は興津彦命興津姫命だろうか。

中央奥の相殿は、もとは字深田に鎮座していたが
明治十一年十一月に、相殿に祀られた三嶋神社。
祭神は阿波咩命。
この社は、式内社・竹麻神社三座の中の一座であるという。
神津島鎮座の阿波咩命物忌奈命を遥拝するため、月間の地に祭祀。
その後、阿波咩命へ朝日里(吉佐美)へ分祀。
その後、月間の社を手石へ遷座する際に、物忌奈命を湊へ分祀したらしく
手石、吉佐美、湊の三社を竹麻神社三座と考えるらしい。

以上のように、一つの覆屋内にある三社が
すべて式内論社という、貴重な神社なのだ。

拝殿の左手に境内社の津島神社。
他にもいくつかの小さな石祠があるのだが、社名は不明。
『式内社調査報告』には、境内社として
津島神社、天神社、神明社の名が記されている。


社頭

鳥居

境内

津島神社

拝殿

本殿覆屋

幣殿など

本殿、左が八幡宮、右が若宮

中央奥の相殿・三嶋神社


【 八幡宮 八幡神社 (下田市吉佐美)(印刷用ページ) 】

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