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【本地仏概説】 |
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本地垂述のページで列挙した仏や有名な仏の一部に関して概説する。ただし仏教には詳しくないので間違いがあるかもしれない。
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- 【如来】
- 仏陀。「真理に到達した者」であり仏教の真の悟りを得た者。
仏教成立当時は、如来となったものは釈迦のみであったが、のちに大乗仏教として体系化されるにつれ、さまざまな如来が考えだされ仏典に説かれていった。
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- ○ 釈迦如来(教主釈迦如来)
- 仏教の始祖。古代インドに実在した人物。この世界の教主。
釈迦三尊とは、文殊菩薩・普賢菩薩の脇侍(如来の両側に立つ菩薩。如来を助け人々を導く者)を従えた形式。
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- ○ 薬師如来(薬師瑠璃光如来)
- 東方浄瑠璃世界の教主。
薬師が菩薩として修業中であった時、衆生を救済するために12の大願を説いているが、 そのなかで寿命を延ばし、諸病諸苦・貧困を除き、安楽を与える現世利益が説かれており、 多くの信仰を集めた。よって、左手に薬壷を持った如来像が多く、脇侍として日光菩薩・月光菩薩を従える。
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- ○ 阿弥陀如来(無量寿如来)
- 西方極楽浄土の教主。
死後の安楽を約束し、極楽往生をかなえる仏として信仰を集めた。
阿弥陀三尊とは、脇侍として観音菩薩・勢至菩薩を従えた形式。
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- ○ 弥勒如来
- 釈迦の入滅後、五十六億七千万年を経て仏法が滅びた時に如来となる事を約束された未来仏。
釈迦による救済にもれた衆生を救うとされる。現在は修行中ということで弥勒菩薩として信仰される場合もある。
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- ○ 毘盧遮那如来(盧舎那仏)
- 『華厳経』に説かれる蓮華蔵世界の中心に坐す仏。
その台座は1000の蓮弁をもち、それぞれの蓮弁が100億の世界をもつとされ、 また、1000の釈迦仏を化現し、それぞれが100億の釈迦仏を表して世界を説法するという、 広大な仏教世界の中心。、脇侍として如意輪観音菩薩・虚空蔵菩薩を従える。
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- ○ 大日如来(摩訶盧遮那如来、遍照如来)
- 密教における仏法そのものであるとされる仏。
『金剛頂教』にもとづいた仏の知を表す金剛界曼荼羅の主尊を金剛界大日如来という。
『大日教』にもとづいた仏の理を表す胎蔵界曼荼羅の主尊を胎蔵界大日如来という。
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- ○ 過去七仏(毘婆尸仏・尸棄仏・毘舎浮仏・倶留孫仏・倶那含牟尼仏・迦葉仏・釈迦仏)
- 釈迦仏登場までに出現したとされる過去の七仏陀。
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- 【菩薩】
- 悟りを求める者。
当初は悟りを得る以前の釈迦のことを意味したが、大乗仏教の時代になって、 如来になる事が予定された、かぎりなく仏陀に近い存在、真理を求め修行に励む者。 たとえ悟りを得ていても慈悲の心から人々の救済を願って活動している仏。
下に列挙したもの以外にも多くの菩薩が説かれている。
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- ○ 観音菩薩(観世音菩薩、観自在菩薩)
- 慈悲の仏。人々の救いを求める声(音)を観じると、ただちに救済の手を差し伸べる仏。
観音菩薩は、さまざまな姿になって苦悩する衆生を救うとされ、多くの種類がある。
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- ・正観音(聖観音)
- 観音菩薩の基本形。勢至菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍でもある。
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- ・救世観音
- 人々を世の苦しみから救うことが強調された正観音。
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- ・十一面観音
- 人々の様々な苦難に対応するため、すべての方向に顔を向けた観音菩薩。頭部に多くの顔を持つ。
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- ・千手観音(千手千眼観自在菩薩)
- 多くの人々を救済するために千の手を持ち、多くの人々を教え導くために各掌に眼(千の眼)を持つ観音菩薩。
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- ・馬頭観音
- 衆生の無知や苦悩を断じ、諸々の悪を破壊消滅される観音菩薩。本来は人身馬頭の姿だが、胸の前で馬頭印を組む姿も多い。
憤怒の明王として表わされることもあり、馬頭明王とも呼ばれる。
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- ・不空羂索観音
- 羂索とは鳥獣を捕える網と綱の意味。全ての人を漏らさず(不空)救いとるための、大慈悲の網を持つ観音菩薩。
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- ・如意輪観音
- 意の如く法輪、すなわち仏教の教え、智徳を満たす観音菩薩。輪宝を持ち、虚空蔵菩薩とともに毘盧遮那如来の脇侍でもある。
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- ○ 文殊菩薩
- 文殊とは文殊師利の略で、インドに実在した人物。釈迦の名代として、仏法について維摩居士と論戦を交えたという。
「智恵の文殊」「三人寄れば文殊の知恵」といわれるように、諸仏の智恵を象徴する菩薩であり、普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍。
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- ○ 普賢菩薩
- 普賢とは梵名の三曼多跋陀羅の訳で、仏の慈悲の究極、仏の理性を象徴する菩薩であり、文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍。
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- ○ 勢至菩薩(大勢至菩薩)
- 智恵の偉大な力で人々の迷いを除く菩薩であり、観音菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍。
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- ○ 日光菩薩(日光遍照)
- 太陽の象徴で、天下をあまねく照らす菩薩であり、月光菩薩とともに薬師如来の脇侍。
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- ○ 月光菩薩(月光遍照)
- 月の象徴で、天下をあまねく照らす菩薩であり、日光菩薩とともに薬師如来の脇侍。
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- ○ 虚空蔵菩薩
- 虚空のような広大無辺の福徳、智恵を包蔵し、智恵を慈悲を持って衆生の求める願いをかなえる菩薩であり、如意輪観音とともに毘盧遮那如来の脇侍でもある。
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- ○ 地蔵菩薩
- 大地をを包蔵する意をもち、大地のように堅固な菩提心をそなえた菩薩。
釈迦入滅後、弥勒が出生するまでの無仏の時代に現れ、六道に輪廻して苦しむ衆生を救済し、延命をもたらすとされる。
よって、現世の人々が生きる大地はもとより、死後の地下にあって苦しみの極まった地獄においても救済すると信仰されている。
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- ○ 龍樹菩薩
- 西暦2、3世紀頃、南インドに生れ真言密教の祖とされる龍猛、あるいは龍樹を菩薩としたもの。
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- 【明王・天部】
- 明王とは、すべての人々を救済せよという如来の命令を受けた、密教特有の尊格であり、力ずくで悟りへ導くことを使命とする。
天部とは、天上界に住み仏法を守護する神々であり、元来は古代インドのバラモン教やヒンドゥー教の神々が仏教に帰依して護法神となった姿。
下記以外にも多くの明王や天部が存在する。
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- ○ 不動明王
- インド神話におけるシヴァ神の異名がそのまま仏教に取り入れられたもの。それが不動あるいは無動と訳された。
仏教に敵対するものを排除し、真言の威力を体現する仏。
祭神記の不動明王を参照。
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- ○ 帝釈天
- ヴェーダ神話では天界の最強神。仏教に入ってからは釈迦が悟りに至る以前の修業時代からの擁護にあたった仏法の守護神。
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- ○ 毘沙門天(多門天)
- 梵名をヴァイシュラヴァナといい訛って毘沙門となった。古代インド神話では暗黒界の悪霊の長であったが、ヒンドゥー教に取り入られてからは財福を司り夜叉を従えて北方を守護する善神。 仏教に入ってからは帝釈天の配下にあって四天王(東方守護の持国天、南方守護の増長天、西方守護の広目天、北方守護の多門天)の一人となり、密教においては十二天の一人となった。七福神の一人。
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- ○ 吉祥天
- 古代インドにおいてはヴィシュヌ神の妃であり福徳を司るラクシュミーのことであったが、 仏教に入ってからは美および福徳の女神として、毘沙門天の妃とされた。
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- ○ 弁才天
- インドの河の神で学問・弁舌・学芸の神。福神、水神、農・漁業神。富と財物をもたらす神。学芸・豊漁・豊作の守り神。七福神の一人。
祭神記の弁才天を参照。
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- ○ 大黒天
- 食糧や財宝を司る福神で七福神の一人。一般には右手に小槌を握り、左肩に袋を背負った姿で表わされる。 また米俵に乗った姿も多く、台所の守り神とされる。七福神の一人。
祭神記の大黒天を参照。
【 本地仏概説(印刷用ページ) 】