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莫越山神社
なこしやまじんじゃ
千葉県南房総市宮下27  Zenrin Data Com Maps display !!


五三の桐

式内社 安房國朝夷郡 莫越山神社
旧郷社

御祭神
手置帆負命 彦狹知命
配祀 小民命 御道命

千葉県南房総市(旧丸山町)宮下にある。JR南原駅の北5Km。
410号線を北上し、西へ入ったところ。

道の側に、南向きの鳥居があり、
参道の先に境内、背後に神体山である莫越山が見える。

当社は、この700m北にある莫越山を遥拝する里宮で、
莫越山山頂には奥宮がある。

通称、中森明神。
社伝によると、当社の創立は、神武天皇辛酉元年。

祭神は、工匠の神・棟梁の神である、手置帆負命彦狹知命
配祀には、それぞれの神の子孫である、小民命・御道命で、
この二神が、当社の創始者であるという説もある。

早朝の曇天で、ちょっと暗かった。

境内社は、「平成祭データ」によると、八雲神社と山神社。
どちらかわからないが、一つの祠に桐紋が付いていた。


参道鳥居

境内

境内全景

拝殿

本殿は覆屋の中

莫越山神社 御神像・朱印状
平成四年四月一日 丸山町指定文化財
由緒  社記に「莫越山神社は、養老二年(七一八)神体山の麓である現 在地に遥拝所として造営されたもので、延喜式神名帳所載の神社 (式内社)安房国六座中の一である。」と記され、古くから多くの信 仰を集め、とくに工匠の祖神としてあがめられ、この地域の中心 的神社として今日に至っている。
 ○木造 御神像 二躯
 二神像ともに衣冠を着用し、拱手して立ち、二柱の御祭神(手置帆負命彦狭知命)の像として崇拝されて来た。
 両像ともに檜の一木造りで、全体的に簡略化が進んでいるとこ ろから、南北朝中期(一四世紀中頃から末頃)の作と推定される。
像高 肘張 胸奥 総高
(一) 四六・〇cm 一六・四cm 一〇・〇cm 四八・〇cm
(二) 四五・五cm 一四・四cm  七・九cm 四七・五cm
 ○里見義康 朱印状 附曼荼羅(和紙)
 天正一九辛卯の年(一五九一)安房国主里見義康は、領内の社寺 や家臣・職人等に対し、朱印状をもって土地の寄進や知行地の宛 行を行ったが、これは当時の莫越山神社の神職にあてられたもの と推定される。
 日付けは「辛卯七月二六日」、宛所は「岩波弾正かたへ」となっ ている。
朱印状 縦一六・六cm 横四五・七cm
龍朱印 五・七五cm角の方印
龍図を含めて 縦九・一cm
曼荼羅 縦八・二cm 横約八三六cm

−境内入口の案内板−


由緒
 当社は、天正天皇養老二年(七一八)、勅願所にかかり地を賜る。神武天皇辛酉元年、天富命は阿波の忌部を率いて、当国に下り給う。この時小民命、御道命の請によりその祖手置帆負命彦狭知命を祭祀し、延喜式に載する安房六座中小四座の一なり。
 古語拾遺に曰く天照大神高皇産霊尊天児屋根命天太玉命に勅令して、番匠諸職の神々を天降された時にこの手置帆負命、彦狭知命を棟梁の神とされもろもろの工匠を率いて、日向国高千穂櫛触の峰に行宮を造り、天孫(迩迩芸命)の皇居を定めた。さらに神武天皇が大和国内を平定して橿原を都と定めた時、天富命が手置帆負命、彦狭知命二神の裔の一族を率い、紀伊国名草郡御木、あらか郡より斎斧斎鋤を以て始めて山の材を伐りて宮城の正殿を造り、これがわが国建築のはじめとされる。更に神武天皇の命により四国の阿波に赴き麻殻を殖培し、のち天富命は更に肥沃な土地を求め、阿波忌部氏を率いて舟で東方に向かい今の房総半島に上陸し、水利と渡度、狐座、御木の三官有林を中心とした豊かな山林に恵まれたこの地を開拓し故国の地名より安房と称し定住し、それまで土着の民の祀っていた神体山の渡度山(莫越の山)に祖神を祀り、また付近に莫越山神社を中心として、古墳時代後期には神祭が盛んに行われていたことを物語る東畑遺跡、石神畑遺跡、六角堂遺跡などが発掘されている。
 社殿は、はじめ遥拝所として造られ、後世、里宮が建てられるまで山そのものを御神体として拝祀し、万寿二年に再建され、さらに治承年中修造、天正七年、社殿修造莫越山神社と奥の院、渡度神社修造の棟札もみられ、寛文九年再造、元禄十六年、大地震により社殿倒壊を受け、寳永四年、時の領主酒井氏再建のち関東大震災により社殿倒壊をうけ、氏子はもとより遠く県外よりも多くの浄財がよせられ、昭和二年、現社殿が再建された。
 古く地名に斎部屋敷、幣造谷、番匠屋敷、禰宜屋敷、御木舞原、神火屋敷、尋岡、馬洗場都々井、神花屋敷、莫越澤などの地名も使われていた。
 又、往古宮下を北限とした条理制遺構が字中之坪、字榎坪、字上八反目などの地割が丸山川流域平野の奥に広がり式内社莫越山神社の存在を見るうえでの背景の一といえる。

−『平成祭データ』−



【 莫越山神社 (南房総市宮下)(印刷用ページ) 】

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