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日御碕神社
ひのみさきじんじゃ
島根県出雲市大社町日御碕455
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式内社 出雲國出雲郡 御碕神社 |
島根県日御碕にある。
出雲大社から海岸沿いに西へ道なりに進む。
参道の脇に、順式社という小祠がある。
日御碕神社社殿復興に尽力した僧、権大僧都 順式慶雄和尚を祀っている。
順式社の奥に稲荷社があるが、当社と関係あるのだろうか。
参道を進み、鳥居をくぐり、参道を曲がると、朱の楼門が鮮やかだ。
楼門をくぐって、正面に「日沈宮」。
右手階段の上に、「神の宮」が鎮座している。
上ノ本社「神の宮」祭神は素盞嗚尊とその娘達である三女神。
下ノ本社「日沈宮」祭神は天照大神とその息子達である五神。
素盞嗚尊が天照大神を見下ろしている構図になっている。
「神の宮」の鎮座について、
素盞嗚尊が「吾が神魂はこの葉の止まる所に住まん」と、
柏の葉を投げ、占ったところ、当社背後の丘に止まったという。
「日沈宮」の鎮座について、
日沈宮はもと文(経)島に鎮座した。
天葺根命が文島にいた時、天照大神が降臨し、
「我天下の蒼生(国民)を恵まむ、汝速かに我を祀れ」
との神勅によって奉斎したのが始まりという。
参道脇に順式社 | 順式社の横に稲荷社 |
鳥居 | 参道 |
楼門 |
楼門右手にある神の宮 |
神の宮 拝殿 | 神の宮 本殿 |
神の宮から見た日沈宮 |
日沈宮 拝殿 | 日沈宮 本殿 |
楼門をくぐると左右に門客人神社。
境内右手奥に稲荷社が祀られている。
さらに井戸のようなものが祀られていたが御井社だろうか。
荒祭宮という、ちょっと気になる小祠。
赤い神倉のような社殿の左脇に、小さな摂社・荒魂神社。
その横に長屋状態で祀られている神々は以下のもの。
八幡社、大歳社・若宮社、坂戸社、加賀社・問社、大野社、
真野社、窟社、宇賀社、中津社、摂社立花社、大土社・波知社、
意保美社・大山祇社、曽能若姫社・秘臺社、日和碕社
五十孟命を祀る韓国神社、蛭兒命を祀る蛭児社。
神の宮横に、御神砂の碑と神紋石舎。
神紋石舎内部に「神紋石」があり、
神紋の柏の化石が表面にあったらしいが風化。
当社から港への道の途中にも、立派な社殿があった。
左の門客人神社 | 楼門上から | 右の門客人神社 |
稲荷社参道 | 稲荷社 |
御井社 | 荒祭宮 |
神倉らしき社殿と荒魂神社 | 神倉の横に多くの末社群 |
韓国神社 | 蛭児社、奥に荒魂神社が見える |
御神砂の碑 | 神紋石舎 |
港への途中にあった祠 | 港側の鳥居 |
日御碕神社 島根県簸川郡大社町日御碕。旧国幣小社(現、別表神社)。『出雲国風土記』記載の美佐岐社、『延喜式神名帳』の御碕神社が充てられる。当社は上下二社に分かれ、上の宮を神の宮、下の宮を日沈宮と称す。神の宮は素盞鳴尊を主祭神とし三柱の神を配祀する。社伝によれば、素盞鳴尊は出雲の国造後熊成峯に登り、鎮まる地を求め柏葉を風で占うと隠ケ丘に止まり、そこで御子天葺根命は御魂をその地で奉斎したという。隠ケ丘(古墳)は社殿の裏側にある。日沈宮はもと文(経)島に鎮座した。天葺根命が文島にいた時、天照大神が降臨し、「我天下の蒼生(国民)を恵まむ、汝速かに我を祀れ」との神勅によって奉斎したのが始まりという。安寧天皇一三年勅命によって百枝松を神木として祀り、開化天皇二年勅命により神殿を造営し(『出雲国風土記』記載の百枝の槐の社がこれか)、天暦二年(九四八)現在地に遷座したという。鎌倉時代以降幕府の崇敬篤く、社殿の修造、戦国時代領主堀尾氏の七八○石余の寄進、江戸幕府の六○○石の朱印領安堵と社運盛んであった。神事・宝物が多く伝わり、春祭は神の宮、秋祭は日沈の宮中心の形態をとる。 例祭(神幸祭)は八月七日。タ日の祭のため神職が文島に渡る(このほかは誰も渡ることができない)。一月五日和布刈神事は宇竜港の権現島に鎮座する熊野神社(末社)の神事で、うみねこがワカメを社殿に運び、神職が供献したという故事により、この神事の後ワカメ取りが始まる。他に釿始祭(一月二日)、神剣奉天神事(一二月三一日)などが執行される。宝物は源頼朝寄進の白糸縅甲冑(国宝)藍韋縅腹巻・太刀一振・出雲日御碕社古絵図・日御碕神社社殿(寛永二一年<一六二五>建立、権現造り。以上重文)、『出雲国風土記』、日御崎神社造営勧進帳、種ケ鳥銃(以上県指定の文化財)のほか多数。祭神は出雲大神の父神に当り、出雲大社の奥の院・親神として、また伊勢神宮は昼を、当社は夜を守る神との信仰がある。 −『神社辞典』− 日御崎(碕)社 出雲郡(簸川郡大社町大字日御碕)にある〔杵築の西二里ばかり〕。社領六百石 祭神 二座 上社・下社である。 上社(神の宮)は八束水神 即ち素盞鳴尊である〔またの名を八握髪尊という。八握の髯が生えているのでこの名がある〕。 相殿 三座〔女神である〕田心姫・湍津姫・厳島姫 下社(沈の官)は大日貴 即ち天照大神である。 相殿五座〔男神である〕正哉吾勝尊・天穂日命・天津彦根・活津彦根命・熊野櫲樟日命 当社に奇右があり、俗に紋石という。面に葉文があり、宛然彫刻したようである。数片であるがその紋は鮮明である。十月に神在月祭、十二月除夜に捧剣の礼奠などがある。 摂社 天葺根神祉 出雲郷宇料(簸川郡大社町宇竜)にある。 祭神 波屋志明神〔神主の祖神である〕。 大歳神 右と同所にある。 宇賀社 園村(出雲市)にある。 蛭子社 出雲郷にある。 大土社 粟津郷(出雲市平野町)にある。 日台社(欠字)にある。 荒魂社 蛇山にある。(『国花記』による) −『和漢三才図会』− |
当社の西の港に、「日沈宮」元地である文(経)島がある。今はウミネコ繁殖地。
文(経)島 |
岩の上に鳥居と祠 |