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隠岐式内社巡り 二日目
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● 5月23日 島後巡り
朝、頼んでいたレンタカー屋が来た。どうやら手続きはレンタカー屋で行うらしく、 車で事務所へ。昨日歩いた八田の近くだ。小回りのきくコンパクトカーを借り、出発。 少し曇っているが、どうやら雨になる心配はなさそうな感じ。 一気に島後北端を目指す

 伊勢命神社
道路脇にある神社。道路周囲では工事中のようだ。拡張工事だろうか。 社殿は立派で、瑞々しい雰囲気の境内だが、やや寂れている。 ゆっくりと座って、人生なんかを考えて見たい 趣があるが、今日最初の神社なので、そうもいかない。 集落の案内板には「広域避難場所」とあった。

 水若酢神社
来た道を戻ることになる。知らない土地に行く場合、行きより帰り・戻りの方が早い感覚、感じます。というわけで、社前の駐車場に車を止め、参道へ向う。 境内では神職の方が一人、箒で掃除中。軽く会釈して参拝開始。隠岐造の社殿が美しい。右から左から後ろから、時を忘れて見ていたら、団体客が来たので 、しばし脇に退いて、いなくなった頃に社務所で御朱印をいただいた。開放的な空間なんだが、澄んだ空気に満たされている感じ。良い

 天健金草神社
地図を見ながら都万村へ向う、「ここら辺りだが」と、呟きながら車を走らせるが見当たらない。と、突然ミラーに鳥居らしき影。 振りかえると山の斜面を背にして南向きの鳥居があった。北から来たので分らなかった。狭い道に車を止め、階段を登る。 木立の中に開けた境内は広さを感じる。社殿も大きい。垣はコンクリートブロックだったが特に施錠もなかったので 本殿前まで近づいて見上げるように参拝。以前は桧皮だったんだろうな。後で調べたら、近くに関連社があったようだ。

 賀茂那備神社
都万村から更に南下。海岸沿いの道を走ると海辺の公園があったので、一服休憩。海風が心地よい。しばらく休んで出発。 港近くの集落に車を入れると、すぐに見つかった。分りやすい。というか、社前を通る道しかない感じ。 広くはないが、丁寧に護られている印象の神社。雑草も刈り取られていて気持ちが良い。 集落にある神社は、近隣の人々の手で護られている。賀茂葵の神紋を何度も撮り直し。

 國府尾神社
予定より遙に早いペースで進行してしまった。このままでは昼前に予定が終わる。そんなことを考えながら西郷へ向っている途中。鳥居が見えた。 実は、下調べの時から気になっていた神社、国府尾神社だ。港を見下ろす場所にあり国府に近い。 資料では、隠岐の総社にはなっていないが、名前が気になった。比較的交通量の多い道だったので、スペースを探して 何度か往復し、車を止め、鳥居へ向う。階段が山頂まで続いている。参道には仏像のような石像のような、なんだか分らないものが並んでいる。 さほど高い山ではないのだが、参道は暗く、虫が多い。蜂も多い。蜘蛛の巣もある。すぐ近くに道路があり、町があるとは思えない感じ。 不気味な感覚を感じながら(霊感があるとか、そういう体質ではない。たんなる怖がりなだけだ。)登っていく、 折れ曲がった道を歩いていて不安になった頃、上から数人の人達が降りて来た。みんな作業服を着ている。 周辺の工事関係者だろうか。安全祈願にでも来たようだ。人を見たので、なんだかホットしたら、 さっきまでの不安は微塵となった。山頂は、そこだけ木々が刈り取られ、陽のさす明るい広場のような境内。 神紋らしき紋があったが、変わっている。「御椀に入った三つ巴」のようだ。宝珠と巴だろうか。面白い。

 玉若酢命神社
西郷周辺から道路案内があるので、場所はすぐにわかった。社前の道路は広く駐車場も完備。観光バスの来る神社だ。 が、しかし、境内に入って驚いた。工事中のようだ。拝殿の後ろは完全に覆いがかけられ、何も見えない。 周りをぐるっと歩いたが、本殿は全く見えない。拝殿に上がり、周りの通路を歩いて近づいていたら、 後ろから「すみません。これからガス入れますんで、危険なので・・・」と声を掛けられた。 本殿の燻蒸作業を行うらしい。どうりで何も見えないはずだ。がっかりだが、仕方ない。 虫の駆除は大事な保存作業なのだ。仕方がない。でもがっかりだ。

 和気能酢神社
玉若酢命神社の脇の細い道に車を入れ、奥へ奥へ向うと、鳥居が見える。 狭い道なので、苦労する。歩いた方が良かったかもしれない。 鳥居から丘の上まで階段が続く。あまり手入れをされていない。 階段の上に社殿があるが周囲には雑草が伸び、足を入れる気にならない。 雰囲気は、非常に良い。玉若酢命神社の近くなのに対照的だ。 参道の木々も真直ぐだ。

ここまでで、一応予定は終了してしまった。国分寺が近くにあるので、そちらに向う。

 平神社
国分寺へ向う途中に、神社の案内を見つけた。平神社(ひらじんじゃ)。古墳があるらしい。 緩やかな坂の途中に境内があった。六世紀頃の隠岐最大の前方後円墳らしい。 どこが方で円なんだかわからない。横穴式石室もあるらしい。この丘全体が古墳なのかな。 神社としては新しいようだ。神紋は酢漿草。由緒は調べていない。 案内があるということは、観光コースでもあるのだろうか。 古墳好きには、興味のあるところ、かな。 でも、誰を祀っているんだろう。古墳の主か?


 池田神社
あらためて国分寺へ向う。駐車場に車を止めて歩き出し、自販機でコーヒーを買って飲んでいたら、 国分寺正面に小さな丘があり、鳥居が見えた。見えてしまったのだ。仕方がない。 Uターンして鳥居に向う。本当に小さな丘だが、階段が上に伸び、社殿が見える。 駆け足で登るとすぐに境内。 拝殿は新しいが、巴紋をつけた本殿は、小ぶりだが、なかなか。 拝殿内も綺麗に清掃されていて、気持ちいい。 天気も良くなって、日のさす境内は気持ちが良い。 国分寺へ行く気が、ゼロになってしまった。しばらくしゃがみ込んで、 「さて、どうしようか」。


 壇鏡神社
車に戻り、地図を眺めていたら、「壇鏡神社」。そうだった、ここにも行く予定だったのだ。すっかり忘れていた。 慌てて車を発進し、都万村へ向う。一応観光名所ではあるので、途中、案内もある。が、何度か道を間違えたようだ。 延々と山道を走ってやっと到着。案内は不親切だった。人のせいにしながら、境内前に車を止め、参道へ。 木々が太い。自然の中に来た。対馬の御嶽を思い出した。 ジャングルの自然とは違う。人の生活を感じる自然。安らぐ自然だ。 ただし、夜、一人できたら怖いかも。 参道を進むと、目の前に滝が見える。あまり水量はない。雌滝だ。 右手に、一回り大きな滝。雄滝。 境内では、二人のおばさんが山菜取りをしている。何がとれるんだろう。 案内には、社殿焼失とあった。確かに焼け焦げた跡がある。 原因はなんだったのかわからないが、人の不注意だろう。 滝の裏に回れるが、水量が少ないため迫力がない。梅雨時なら、面白いかもしれない。 小野篁もこの滝の裏、この場所に立っただろうか。

ということで、本日の参拝終了。レンタカー屋まで、風景を見ながらドライブ。 レンタカーを返したが、ホテルまで送ってくれなかった。 朝は迎えに来たのに。2Kmぐらいあるぞ。 昨日と同じ道を、また歩いてホテルへ向う。 明日は、島後を後にし、島前に向う。



【 隠岐式内社巡り 二日目:玄松子の雑記帳(印刷用ページ) 】

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