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松原諏方神社
まつばらすわじんじゃ
長野県南佐久郡小海町豊里字居村4316  Zenrin Data Com Maps display !!


立梶の葉

旧郷社

御祭神
建御名方命 事代主命 下照比賣命

長野県の小海町にある。
小海線・松原湖駅の南西2Kmほどの松原湖畔に鎮座。

松原湖は、西から大月湖、猪名湖、長湖と並ぶ三つの湖の総称だが、
一般には、一番大きな猪名湖のことを松原湖と呼ぶ。
標高1123mにある湖で、八ヶ岳の爆裂で生じた
丘陵窪地に大月川が氾濫して生成されたもの。
猪名湖の周囲は1.98Kmほどあるらしい。


猪名湖

その猪名湖の南西、480号線に面して東向きに境内入口がある。
参道に木製の両部鳥居があり、道祖神を祀る御神木を通過すると
湖に面して西向きの境内がある。

階段を上ると堂々とした大きな入母屋造の拝殿。
拝殿の後方には流造の本殿がある。
信州の諏訪社なので、拝殿の斜め前には一本の御柱が立っている。

鳥居や拝殿の扁額には「松原諏方神社」とあるが、
資料には「諏訪社上下二座」とあり、それが正式名なのかもしれない。
「上下二座」とあるように、諏訪湖の諏訪大社同様、
松原湖の南に当社・上社があり、北岸に下社が鎮座している。

社伝によると、下社は神功皇后の御宇、上社は天智天皇の御宇の創祀。
御霊代には天慶二年(939)八月十五日の文字があり、
その頃に、当地の伴野氏が創建したとも考えられている。

旧松原村の産土神として崇敬された古社。
『明治神社誌料』によると、境内社の大伴神社と合わせて
松原三所大神と称されていたらしいが、
参拝時に、大伴神社を確認していない。
同書には、境内社は大伴神社と熊野神社の名が載っているが
現在の境内には熊野権現宮と、小ぶりだがしっかりした祠である山宮(梅の宮)がある。
この山宮が大伴神社だろうか。

武田晴信が当社に立願し、社領、武器、神馬等の寄進があり、
天文十七年四月には松原全村を神領としたという。

江戸時代になっても、社領朱印高三十石の寄付があり、
明治六年四月、郷社に列した。

本殿の右奥に、国の重要文化財の梵鐘(野ざらしの鐘)がある。
弘安二年(1279)信州佐久郡大井庄落合の新善光寺に、
地頭源朝臣大井光長が寄進したもので、長野県最古の在銘梵鐘。
後に落合慈寿寺に伝わり、戦国時代、武田軍が佐久に侵攻した時、
奪って当社に寄進したものだそうだ。
この鐘を屋根の下に置くと、火事の難に逢うというところから
野ざらしにされ、以来「野ざらしの鐘」と称されている。


参道鳥居

御神木

上社境内

拝殿

本殿

御柱と社殿と野ざらしの鐘

境内社

野ざらしの鐘

上社から松原湖畔の遊歩道を北に歩くと下社が鎮座している。

遊歩道の途中に石造の神明鳥居があるが、下社の鳥居だろうか。
湖畔にはいくつかの小祠があるので、そのどれかの鳥居かもしれない。

下社の社殿は切妻造拝殿の後方に本殿覆屋が接続した形式。
内部の本殿は流造のようだが、はっきりと確認できなかった。


下社社殿

上社から下社への道の途中の鳥居

御柱と社殿

白山宮から下社境内

松原湖には、以下のような畠山重忠の龍伝説がある。

昔、源頼朝がらい病にかかった時、
龍の生胆を飲めば良いという神のお告げが夢に現れ、
頼朝は畠山重忠に龍の生胆を取って来いと命じた。

どこで手に入れれば良いかと、重忠が途方にくれていると、
「信州松原湖にすむ龍の生胆を取るが良い」と、ある夜の夢のお告げがあり
すぐに松原湖に出かけて行くと、松原神社から弁天島へ下る大弥太坂で母と行き合った。

重忠が母に頼朝の命令の話をすると、
「私が湖中にはいって蛇体となるから肝を取って主君に奉れ」といって入水し、
たちまち水面に水柱が立ち、大蛇が姿を現した。

重忠は、今はもう躊躇する時ではないと決意し、
ついに龍を殺して生胆を取り、頼朝に献上した。
頼朝の病気はたちまち治ったので、
湖畔の神光寺の境内に重忠の母のために五重塔を建てて供養したという。

松原湖畔にはいくつかの小祠が祀られている。
確認したものは、以下の4つ。
僕は猪名湖の東側だけをサクサクと歩いたので、
もっとゆっくりと一周すると他にもあるかもしれない。

上社から下社への途中に子安宮。
下社の前の小島に白山宮。猪名湖南側に八幡宮。
猪名湖南側の小島(弁天島か?)に弁財天宮。

弁財天宮の20m先、水中に畠山重忠の母の墓があるらしい。

遊歩道を歩いていると「松原の七不思議」の案内板があった。
せっかくなので、要点だけ記しておく。

1.御神渡
寒明け三日目の夜、凍った猪名湖に一晩にして水面を横断する溝条の線が出来た。
これは上社の神が下社に御渡りした跡であるという。昔は必ず寒明け三日の晩だったが、
ある男が神渡りの様子を見ようと湖畔に潜んでから寒明けの夜と限らなくなったという

2.浮木明神
弁天島の南側の湖の中に大きな浮木があり、
どこへ引いて行っても、いつのまにか元の位置に戻るという。

3.木谺岩(こだまりいわ)
猪名湖の東側に直径18mの大岩礁があり、その上に丸い岩がのっていた。
この岩は畠山重忠が龍を殺した時、
顎から出た玉が変化したものだと伝えられていたが、
今は見えなくなってしまったという。

4.屏風岩
猪名湖の西北隅の「姥のふところ」という所の水中に、
屏風を立てた様に切り立った岩があるという。

5.星見の松
御射山の神事が行われる日の牛の刻に、
この松に登ると、乾の方角に昼でも星が見えるという。

6.神座遠の松
御射山の原へ行く途中、坂の上にあった大木で、
幹は八本に分かれ、枝は地上に垂れていた。
御射山の神事の時、神様の小休場となっている。

7.もろ葉のすすき
葉が対生(一つの節に一対生じたもの)したすすきで、
御射山のどこかに生えているが、
心の正しい人でなければ見つけることができないという。

この案内を見た時に全部探してみようかとも思ったが、
七番目の説明を読んでやめた。


子安宮

白山宮

八幡宮

弁財天宮


【 松原諏方神社 (松原湖) 】

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