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石上神社
いしがみじんじゃ
岩手県遠野市綾織町みさ崎
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遠野市綾織町にある。
綾織駅の北、3Kmほど。
遠野から花巻へ向かう396号線から、
砂子沢川に沿って北へ進むと、
道路の右手に鎮座している。
奥宮は、石上山(1038m)の山頂にあり、
こちらは里宮にあたる。
石上山 |
神の始 遠野の町は南北の川の落合に在り。 以前は七七十里とて、七つの渓谷各七十里の奥より売買の貨物を聚め、 其市の日は馬千匹、人千人の賑はしさなりき。 四方の山々の中に最も秀でたるを早地峰と云ふ、 北の方附馬牛の奥に在り。 東の方には六角牛山立てり。 石神と云ふ山は附馬牛と達曾部との間に在りて、 その高さ前の二つよりも劣れり。 大昔に女神あり、三人の娘を伴ひて此高原に来り、 今の来内村の伊豆権現の社ある処に宿りし夜、 今夜よき夢を見たらん娘によき山を与ふべしと母の神の語りて寝たりしに、 夜深く天より霊華降りて姉の姫の胸の上に止りしを、 末の姫眼覚めて窃に之を取り、我胸の上に載せたりしかば、 終に最も美しき早地峰の山を得、 姉たちは六角牛と石神とを得たり。 若き三人の女神各三の山に住し今も之を領したまふ故に、 遠野の女どもは其妬を畏れて今も此山に遊ばずと云へり。 −『遠野物語 第二話』より− |
通称、お石神さん。
遠野三女神の次女(長女という説もある)を祀るという伝承がある。
『綾織村郷土誌』には、
石上山の麓、砂子沢の奥蔵というところに、舟石があり、
三人の女神が、来内の権現から乗って来て、
ここで降り、附馬牛の神別れまで行ったとある。
同じ村の字砂子沢では、姥石という石が石神山の裾野に立っている。 昔一人の巫女が、この山たとえ女人禁制なればとて、 われは神をさがす者だからさしつかえがないといって、 牛に乗って石神山に登って行った。 するとにわかに大雨風が起こり、 それに吹き飛ばされて落ちてこの石になった。 その傍には牛石という石もあるのである。 −『遠野物語拾遺 第十二話』より− |
現在の祭神は、經津主命となっている。
石上山と、母神を祀る伊豆神社を結ぶ線上に、当社が鎮座している。
当社だけではなく、遠野三山の里宮はすべて、
伊豆神社との線上にあることは、非常に興味深い。
境内入口 |
境内 | 社殿 |
社号標 | 本殿 | 境内社 |
由緒
遠野三山の一つ石上山のふもとに鎮座し、経津主命・伊邪那美命・稲蒼魂命をまつり例祭日は8月7日である。
文治年中阿曽沼広綱が頼朝から遠野郷を賜りその一族が入部の際勧請したと伝えられ、その後南部氏の代になっても
領主の信奉篤く老臣新田氏に例祭をつかさどらせた。明治42年同部落にあった熊野神社と稲荷神社を合祀する。奥宮は石上山頂にあり里宮は石上新山宮として鵢崎の地に鎮座す。 −『平成祭データ』− |
【 石上神社 (遠野) 】