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伊久礼神社
いくれじんじゃ
新潟県三条市大字井栗字西屋敷409
妹が家に 伊久里の森の藤の花 今来む春も常かくし見む
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新潟県三条市にある。
信越本線保内駅の北西1.5Kmの井栗に鎮座。
赤い両部鳥居から参道の先に、神殿がある。
参道左手に藤棚があり、横に万葉の石碑。
創立年代は不詳。
当社の鎮座地、井栗=伊久礼となり、
式内社・伊久禮神社に比定されている古社。
井栗村の産土神であり、かっては八幡宮と称していた。
境内にある伊久里の森の万葉和歌については
越後説の他に、越中説、大和説などがあり定かではないらしい。
境内の藤棚は、当社の北東1.5Kmにある藤ノ木権現から移されたもの。
藤ノ木権現が古社地であるという説もある。
神紋に関して、拝殿の幕には、「鳩」が描かれていた。
通常、八幡宮の神紋は「三つ巴」で、
当社の鳥居にも「三つ巴」が付いていた。
が、巴紋は、八幡だけではなく、神社一般に使用されるため、
特に八幡では、神使である鳩をモチーフにする場合がある。
当社もそれに相当すると考えられるが、
図案として、紋と特定しにくいものだったので、
今回は保留とした。
また、鳥居に「藤枝丸」らしきものも付いていた。
万葉和歌にもあるように藤が当社のシンボルともなっているようで、
それに由来すると思われる。が、これも保留。
社頭 |
鳥居 | 拝殿 |
拝殿の鳩紋の幕 |
鳥居の藤紋 | 本殿 | 藤棚横の万葉の石碑 |
藤棚 | 古峯神社 |
万葉の歌碑
このいしぶみは、わが国で現存する
最古の歌集、「万葉集」第十七(「国歌大観」番号三九五二)
にある、大原高安真人の歌を陰刻した
ものである。歌は天平十四年(七四二)の作で、僧玄勝 が伝誦した古歌とされている。碑面には、
この歌は、ここから北東一・五キロメートル の、藤の木地内に現存する万葉の藤を 詠んだものとして、明和元年(一七六四) 秋、井栗村の大庄屋松川牧牛が歌碑 を建立した。地名の「伊久里」をめぐり、 越中・大和などとする説もみられるが、 地元では越後説が古くから伝えられ てきた。 −境内入口に案内板− |
藤ノ木権現は、広い田の中にポツンと鎮座している。
欅と藤があり、小祠に赤い鳥居。
奇跡的に残っている、そんな印象だった。
藤ノ木権現 |
【 伊久礼神社 】