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須須神社 奥宮
すずじんじゃ おくみや
石川県珠洲市狼煙町カ74

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能登半島の先端部、石川県珠洲市狼煙町にある。
珠洲市の中心部から10Kmほど、
奥能登バス葭ケ浦バス停の前に参道入口がある。
バス停の近くに「ランプの宿」の看板が出ているので、それが目印。
参道入口は東向き。
階段を登ると、2つの穴が掘られ、3本の生木が横たわっていた。
新しい鳥居を建設中のようだ。
そこから参道を歩き、山伏山(172m)山頂を目指す。
参道の途中にある石鳥居から登りが始まるが、
あまり高い山ではないので、それほどの距離ではない。
やがて、少し広い場所に出ると、
木の陰に社殿が見える。
磁石を持っていないので正確にはわからないが、
社殿はやや北東向きのようだ。
神奈備である山伏山(須須嶽ともいう)の山頂に鎮座し、
鈴奥大明神、須々嶽奥之社とも呼ばれる神社。
寺家にある高座宮と金分宮を合わせて須須神社と呼び、
山伏山にある当社は、須須神社奥宮にあたる。
崇神天皇の御代、高座宮は男神を、金分宮は姫神をそれぞれ祀って、
両社とも山伏山の同一の社殿に創建され、
天平勝宝年間(749〜756)に寺家に遷り二社に分かれたという。
ところが、奥宮と本社の祭神が違うことなどから、
寺家の両社と奥宮は、もともと違う神社であったとする説もある。
これによると、式内・須須神社は、当社である奥宮だけであり、
寺家の高座宮は、式外社の高倉彦ノ神にあたる。
昔は、奥宮の中腹に大燈明堂が設けられ、夜ごと大神に献燈しており、
この燈明堂が明治初年現在の禄剛崎灯台に進展した。
奥宮の鎮座する地は、狼煙(のろし)町と呼ばれるのもこのため。
社名の「須須」は、煤(すす)という解釈だ。
祭神は、その「須須」からの連想だろうか、
出雲風土記に登場する美穂須須美命となっている。
参拝を終え、参道を戻る。
参拝は早朝の6時半頃。
ちょうど日の出の時刻で、朝日に向かって歩く。
木々の間から朝日が顔に当って暖かい。
参道の途中、木の葉がポッカリと無くなる場所があり、
まるでスポットライトのように日に照らされる場所に
しばし佇んでしまった。
なるほど、ここは神域なのだと実感する。
参道入口 ![]() | 鳥居新築中? ![]() | 参道の鳥居 ![]() |
山伏山山頂の境内 |
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拝殿 ![]() | 本殿 ![]() |
須須神社縁起
当社は高座宮(たかくらぐう)・金分宮(きんぶんぐう)の両社に御夫婦の大神を祀り、須須神社と称し「三崎権現」「須須大明神」と尊崇され、東北鬼門日本海の守護神として、あまねく信仰され、災難除けの御神徳あらたかな御社である。第十代崇神天皇(約二、〇〇〇年前)の御代能登半島最東北端の山伏山(鈴ケ嶽)の頂上に創建され、天平勝宝年間に現在の地に遷座しました。 国史「三代実録」によると、貞観(じょうがん)十五年(八七三)八月四日従五位上の神階を賜わった、延喜式内の古社で、社伝によれば用明、元正両天皇より勅使の献幣があり足利時代は大宮司猿女(さるめ)氏以下、社人社僧多く、別当寺に十二坊、社領三千石が献納されており、天正十二年(一、五八四)加賀藩主前田利家公が巡国のみぎり御祈願所と定め、社領として神田五町歩(石高七十五石)を寄進し、武運長久の祈願をされております。 古代より縁むすびの神として、世に知られており、この「むすび」とは、ただ単に男女の仲を結ぶだけではなく生成化育、修理固成という日本民族の根本精神である神業(かみわざ)を、みずから妹背(ふうふ)の契を結び子孫繁栄の道を示し教えられた尊い祖神(おやがみ)さまであります。 また祭礼は珠洲一郡の総社として「お郡祭(こうりさい)」「御出御幸(おいでごこう)」と称し郡内巡行の祭儀が半月がかりで近年まで斎行されていました。 奥宮鎮座地の山伏山(標高一七二メートル)は山容優美にして海上からの景観は、鈴をさかさにしたような典型的な神奈備の霊山で、原始時代から北海航行の目標、漁だめの森、御神体山として崇拝され、平安中期(約一、二〇〇年前)には海上警戒の設備を置き、烽火(のろし)(狼煙(のろし))が一たび、あがると郡家で受継ぎ国府、そして京の都へ伝達されたと云われている。 元禄十年(一、六九七)加賀藩へ出した大宮司書状によるとすでに奥宮の中腹に大燈明堂が設けられ、一夜に油一升、燈心布三尺をもちい、夜ごと大神に献燈し、北海暗夜、渡海船を守護し、この燈明堂が明治初年現在の禄剛崎灯台に進展したものです。 本社社叢(もり)は千古の昔から神域として保護され、北部照葉樹林の、うっそうたる原生林をなし境内約一万坪には、スダジイをはじめ、タブノキ、ヤブニッケイ、ヤブツバキ等が混じり、林床にはミヤマシキミの純群落が見られ約二五〇種の植物があり、国の特別史跡名勝天然記念物に指定され、貴重な存在とされております。 −『平成祭データ』− |
