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宇田明神跡
うだみょうじんあと
三重県多気郡明和町斎宮
曙に 宇田の畔より立つ鴨の 羽根かく音や 萬代の春
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式内社 伊勢國多氣郡 大海田水代大刀自神社 |
三重県の明和町にある。
近鉄山田線・斎宮駅の南600mほどの水田地帯に、
一箇所だけ木々の茂った塚のようなものがあり、
老杉の根元に「齋宮旧蹟宇田神社」と刻まれた石碑が立っている。
宇田神社、宇田明神と呼ばれていた神社の跡だが、
当社の創祀年代は不詳。
案内板によると、祭神は大海田水代大刀自。
式内社・大海田水代大刀自神社の論社となっている古社であったが、
現在は、牛葉の秋葉神社に合祀されている。
延喜式では「大海田水代大刀自神社」だが、写本によっては天海田水代大刀自とも記され、
その読みも「オヲアマノ…」「アマノ…」「アマノタミツ…」「ヲホウナタミシロ…」
「ウナタミシロオホトジノ」「オホウダミヅシロオホタウメノ」「ヲホウナタミシロヲホトシ」
など諸説あってわからないが、この社名の海田が宇田と変化したということだろうか。
式内社であり、斎宮縁の神社として、明治二年勅使が奉幣するはずだったが、
社殿が無いので取りやめになったらしい。
宇田の地は、源俊頼の『散木寄家集』に、
「伊勢斎宮に侍りける比、宇田といふ方に曙に鴨のはねかく音のしけるを聞いてよめる」として、
「曙に宇田の畔より立つ鴨の羽根かく音や萬代の春」と詠まれている。
社域 |
宇田の明神跡 | 齋宮旧蹟宇田神社 |
宇田明神が合祀されているという秋葉神社は、
斎宮駅の南東100mほどの場所にある。
三重県多気郡明和町斎宮字牛葉
牛庭公民館の敷地内に、道路を背にして東に向いており、周囲には山神の石碑。
鳥居や社殿は、最近改修されたように新しい。
敷地の入口には「観音寺跡」と記されていたが、
斎宮関連の遺跡なのだろうか。
この秋葉神社に関しては由緒などは未確認。
『三重県神社誌』にも『平成祭データ』にも載っていなかった。
牛葉の秋葉神社 |
観音寺跡 | 山神 |