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花長下神社
はなながしもじんじゃ
岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲名礼字鷺坂848−1
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式内社 美濃國大野郡 花長下神社 |
岐阜県の揖斐川町にある。
近鉄養老線の揖斐駅の北6Km、
樽見鉄道谷汲口駅の西5Kmほどの名礼に鎮座。
名礼の集落は、東に下名礼、西に上名礼があるが、
その中間辺り、中名礼に、南へ入る農道がある。
その農道を1Kmほど下ると、
道の右手(西側)に境内の杜がある。
ちょっと場所が分かりにくいのだ。
僕は地元の方に道を聞いて、やっと到着した。
で、境内の入口の側に、『熊出没!注意』の看板があった。
参拝は冬の二月なので、気にせず参拝。
秋だと、ちょっとビビッタかも。
境内中央に拝殿があり、後方に本殿。
当境内には、天然記念物のヒメハルゼミが生息しており、
境内だけに生息する珍しいセミらしい。
今頃は、僕の足元の地下で眠っているのかも、
などと思いながらの参拝。
当社の真北1.4Kmの位置に花長上神社が存在する。
当社祭神が男神で、花長上神社の祭神は姫神。
式内社・花長下神社に比定されている古社だが、
『美濃国神名帳』には記載されていない。
その理由は、美濃国神名帳記載の花長神社が、
上下二社を合わせたものだと考えられている。
出雲国風土記、秋鹿郡伊農郷の由来に
「出雲の郡伊農の郷に鎮座される、
赤衾伊農意保須美比古佐和気能命の后である天甕津日女の命が、
国内をご巡行になった時に、
ここにお着きになっておっしゃったことには、
「ああわが夫よ、伊農よ」とおっしゃった」とある。
また、出雲郡伊努郷の由来に
「国引きをなさった意美豆努の命の御子、
赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命の社が、
郷の中に鎮座しておられる。」とも。
なぜ、出雲の地方神が、美濃国に祀られているのか不思議だが、
当地方の大野郷の、「大」が出雲国意宇郡(島根県松江周辺)と関連するのかも。
社域 |
鳥居 | 本殿 |
境内 |
天然記念物 ヒメハルゼミ(谷汲村名礼)
昭和十三年に谷汲村名礼在住
の平井賢吾さんが当花長神社
境内で発見し、国の天然記念物の指定を受け
た日本でも一・二ヶ所にのみ生息するとい
う珍しいセミです。体長三〇ミリ、細長
く小さなセミで、一見アブに似ており一匹
では鳴かず六十匹から百匹で合唱するの
が特徴で別名ツレセミとも言われています。
また、このセミはかしの木の根を伝い土中
二メートル位のところに幼虫として六年
間を過ごし、七年目に地上に成虫として姿
を現わし、かしの葉の裏にとまり保護色を
利用して外敵から身を守り、一週間の生命
を燃やすのです。なぜかこの神社の境内し
か生息せずその理由は未だ不明です。−境内案内より− |